令和元年弁理士試験 短答式筆記試験問題 条約 7、8
令和元年弁理士試験 短答式筆記試験問題
【条約】7
パリ条約のストックホルム改正条約(以下「パリ条約」という。)に関し、次の(イ)~(ニ) のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ)
商標に係る権利を有する者は、その代理人又は代表者が、その者の許諾を得ないで、 1又は2以上の同盟国においてその商標について自己の名義による登録の出願をした場 合、その代理人又は代表者が、その行為につきそれが正当であることを明らかにしたと きは、商標を使用することを阻止する権利を有しない。
〇
- パリ条約 6条の7 (1) 但書きの規定通りである。
(ロ)
本国において正規に登録された商標は、他の同盟国においては、常にそのままその登 録を認められかつ保護される。
×
- いずれかの同盟国において正規に登録された商標は、他の同盟国(本国を含む。)において登録された商標から独立したものとする
(パリ条約 6条(3))
。
(ハ)
本国において正規に登録された商標が更新された場合、その商標が登録された他の同 盟国における登録も更新しなければならない。
×
- パリ条約6条(3)の規定通り。
(ニ)
本国において保護されている商標の構成部分に変更を加えた商標は、その変更が、本 国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えなければ、他の同盟 国において、いかなる場合においても、登録を拒絶されることはない。
×
- 本国において保護されている商標の構成部分に変更を加えた商標は、その変更が、本
国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えず、かつ、
商標の同一性を損なわない場合には、他の同盟国において、
その変更を唯一の理由として登録を拒絶されることはない
(パリ条約 6条の5 C (2))
。
【条約】8
パリ条約のストックホルム改正条約(以下「パリ条約」という。)に関し、次の(イ)~(ニ) のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ)
審査により特許出願が複合的であることが明らかになった場合には、特許出願人は、 その特許出願を2以上の出願に分割することができる。この場合において、特許出願人 は、その分割された各出願の日付としてもとの出願の日付を用い、優先権の利益がある ときは、これを保有する。
〇
(ロ)
特許出願人は、自己の発意により、特許出願を分割することができる。この場合にお いて、特許出願人は、その分割された各出願の日付としてもとの出願の日付を用い、優 先権の利益があるときは、これを保有する。
〇
(ハ)
出願人が自己の選択により特許又は発明者証のいずれの出願をもすることができる同 盟国においてされた発明者証の出願は、特許出願の場合と同一の条件でパリ条約第4条 に定める優先権を生じさせるものとし、その優先権は、特許出願の場合と同一の効果を 有する。
〇
(ニ)
出願人が自己の選択により特許又は発明者証のいずれの出願をもすることができる同 盟国において、正規に発明者証の出願をした者又はその承継人は、他の同盟国において 実用新案登録出願することに関し、12 月の期間中、優先権を有する。
〇
- パリ条約4条 I (1) の規定の通り。
- 発明者証の出願は、特許出願の場合と同一の条件でこの状に定める優先権を生じさせるため、他の同盟国において、発明者証の出願に基づき優先権を伴う実用新案登録出願をすることができる
(パリ条約4条E(2))
。